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『干し柿部』

 

干し柿が好きです。好きで好きでたまらない。

それはなぜかって?

ズバリ!美味しいから。

外側の白い粉が、砂糖のように甘い。でも、砂糖ではないから、天然の優しい甘さ。かむと、不思議と柔らかく、慈味のある味わい。生の柿だと、何個も食べられないのに、干し柿にすると、つい2個3個と手がのびてしまう。

 

干し柿を作るのは、うんと手間がかかります。ただ軒先に吊るせば出来上がるわけではありません。

渋柿の皮をむいて、ロープに留めつけ、1カ月干して…その間もカビが生えないように毎日見まわる。そろそろ渋が抜けたかなーと思った頃に、屋内に取り込み、仕上げの粉をふかせる作業。一つ一つ丁寧にブラシをかけ、もみ、箱にしまう。

想像してみてください。一個一個、手作業です。ブラシをかけるのは、10個もすれば嫌になります。でも、手間をかけて寝かせたものを、何日かしてふたを開ける。白い粉がびっちりとふいているのを目の当たりにした瞬間、苦労が吹き飛びます。

 

このように手間のかかる干し柿が、値段が高いのは、至極当たり前。

「干し柿は好きだけど、高くて手が出ないわ…」

こんな声を、よく聞きます。

ならば、安い値段で提供できるようにしたら、もっと多くの干し柿ファンが、買ってくれるかもしれない!

 

今、庄内柿は、値段が低迷しています。1年世話して、やっと実がなっても、安くしか売れない。大きく、見栄えするものは売れるけれど、小さく規格外のものは、どうせ売れないから、と畑のすみに捨てられます。柿の収穫時期に、車で走ってみてください。畑に沢山捨てられてますから。

心が痛みます。

 

庄内柿は、味は日本一だと思います。そのまま食べても旨いんだもの。干し柿にすれば、甘みが凝縮されて、もっと美味しくなるんです。

庄内柿しか知らない人は、柿には種が無いと思っています。

ところが、全国的には種の無い柿の方が珍しい。

このように様々な強みを持つ庄内柿が、捨てられるのは、非常にもったいない。

可哀想な柿を干し柿にして食べてもらい、もっと価値を知ってもらおう!

こんな呼び掛けに、9人の仲間が賛同し、一緒に作ることになりました。

 

干し柿部は、「干し柿を作って売る」部活です。

11月には柿の皮むきイベントを、12月には仕上げ作業の体験イベントを実施します。

 

干し柿好きの皆さん、イベントに是非来てくださいね!!

 

 

部長 菊池淳子