『シルク部』
高級品の代名詞とも言われている『絹』
今からほんの100年前まで、国益の中心となり、世界一良品の絹織物を作る国として栄えた日本の養蚕業ですが、戦後以降合成繊維に押され衰退し続け、年々養蚕家が減り続けている現状があります。
現在国内で販売されている絹は、海外から輸入されたものが多く、国産絹の価値は年々高くなってきています。
鶴岡でつくられる絹は全国で唯一、蚕から織までの全行程を一つの地域で作られている絹織物です。
しかし、残念ながら現状での庄内地域で繭玉を生産する養蚕家は、2件となってしまいました。
絹の歴史は古く、紀元前3000年前に始まったとされています。続いてきた年数からも伺えるように、絹(養蚕業)は環境にも、人にもとても優しいものです。
蚕は、餌となる桑の葉に農薬がついていると死んでしまいます。無農薬の桑の葉しか食べられないのです。また、蚕が蛹になるために作る繭玉からは絹糸が作られます。その絹糸から作られた絹織物は、蚕が吐く糸で編まれているため、タンパク質で作られています。その為、絹は土に返しても環境を汚染することなく100%還元されます。
無農薬の桑の葉を食べて育った蛹は良質なタンパク源ともなります。現在の畜産のように、環境を破壊して飼育されることや、正体不明の薬品が使用されている心配もありません。
近年は研究が進み、その利用価値が多くの分野で見直されはじめています。
絹(シルク)を食べることでは、アルツハイマーやがん予防、コレステロール値の低下や糖尿病の改善に効果的なこと、肌に触れることでは、血行促進作用、抗菌作用が働くことから皮膚アトピー、褥瘡の改善に効果的なこと、スキンケアとして肌につけることでは、繭玉を構成するアミノ酸が肌の構造にとてもよく似ていることから、シミやシワの改善、美白などに効果的なことなど、その特性は数多く研究され報告されています。
庄内シルク部では、このような絹の特性を生かした商品作りをすることで、鶴岡産の絹をより多くの方に知ってもらい、地域活性化に繋げていきたいと考え活動をしています。
シルク部(庄内シルク部)
小野寺 志保
2014.06.25